ちょこっと感動日記

毎日のちょっとした熱~い感動を綴るマイブーム日記。音楽、本、マラソン、映画、サッカーのこと あれこれ!

<本を読むひと>を 読んで!

 

 先日 いつもの 図書館で 返却コーナーにあった この子供の温かそうな表情の本の表紙に まず目が留まりました。少しページをめくってみると 著者のアリス・フィネルの他の作品<未亡人の優雅さ>は トラン・アン・ユン監督により 映画されていて <アメリ>の超個性派俳優オドレイ・トトウが 主演しているとのことが 書かれてありました。

トラン・アン・ユン監督と言えば 村上春樹さんの<ノルウェーの森>を 映画化したベトナム人の監督です!題材の素晴らしさとは また違った感性に 驚かされた作品を 作り上げるという印象がある監督です!

この3つのキーワード、トラン・アン・ユン監督、オドレイ・トトウ、子供の温かそうな表情の表紙で 良さそうな物語のにおいが 漂ってきて 借りて読んでみることにしました。

ストーリーは フランスで20年くらい読み継がれているというロングセラーのジプシーの大家族の元に 毎週 絵本の抱えてやってくる 図書館員との交流が 起こす 心温かい物語でした。

パリ郊外の空き地に 無断で住み着いたキャンピングカーで暮らすジプシーの大家族には 家長であるアンジェリーヌばあさんを元に 5人の息子、4人の嫁、8人の孫が 暮らしています。ジプシー一族には まともな仕事を持っていないし 孫たちは 学校に通っていないので 文字を読むこともできません! 一般社会からは のけ者扱いされて 身分保証書も社会保障もありません!

ある日 フランス人女性 図書館員のエステールが やってきます。エステールは 学校教育から疎外され 文字さえ知らない子供たちに 読書の喜びと魅力を伝えたい一心で 週に一度 やってきます。子供たちは やがて心待ちにするようになり やがては 母親たちも アンジェリヌも 心を開いていくように なっていきます。

その間に このジプシー一家に いろいろな出来事が起こります!子供が 生まれたり 事故で亡くなったり 夫の浮気や 夫婦喧嘩、暴力、強盗などで ジプシーの性格や 考え方が 描かれていました。

それらの交流を通して エステールも 彼らを 必要としていることが 分かってきます。この辺の 心の交流が この本で 一番素晴らしいなあと 思ったところでした。エステールが 子供たちを 学校に行かせようと 奔走したり 住んでいるところを 追い払われようとするのを 食い止めようと 市長と 駆け引きしたりしました。

泥まみれの人間も等しく人間であると考えているというスタンスに 何か 気持ち良さを感じて 立場は違えど 一人の人間としてのできそうで 実はできない みたいな 尊いものを 感じて 美しいなあと 思いました。急に ぱっと来る感動ではなく しみじみ じわじわ来る感動に近いものがあります。

 最後に エステールが 毎週持ってきて 読み聞かせた物語のリストが 載せられています。その中の<ピノキオ>は 私が 幼かったころ 親父が 紙芝居を買ってきてくれて 毎晩のように 読んでもらっていたことを 思い出しました。次に どういう言葉が 出てくるかは もうすでに分かっているのですが 何回でも 聞きたくなる あの感覚が 少し懐かしいです。

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