ちょこっと感動日記

毎日のちょっとした熱~い感動を綴るマイブーム日記。音楽、本、マラソン、映画、サッカーのこと あれこれ!

村上春樹『一人称単数』を読んで


 久々に 村上春樹の新作短編が読めるという ワクワク感が とにかく たまらなく うれしい気分にさせてくれ 生きていて よかったなあ!と 思わせてくれるのは 私だけでは ないと思います。春樹さんの文章には 長編には長編の 短編には短編の 対談にはそれなりの それぞれの節(ぶし)があり その中のマイノリティで 少し切ないところや ちょっとした遊び心が 私には たまらなく好きです。今回の短編も然り。



「石のまくらに」
「クリーム」
「チャーリー・パーカー・プレイズ・ボサノヴァ」
「ウィズ・ザ・ビートルズ  With the Beatles」
「『ヤクルト・スワローズ詩集』」
「謝肉祭(Carnaval)」
「品川猿の告白」
「一人称単数」


 前作の『女のいない男』の中には <ドライブ・マイカー>と<イエスタディ> というビートルズの曲のタイトルと同じものが ありましたが 今回は <WithThe Beatles>という ビートルズの2ndアルバムがありました。そのアルバムを抱えて 一瞬にして消えてしまった美しい少女と その当時のガールフレンドとの思い出にまつわる話は 生も死も 紙一重という印象でした。ここから 次作の長編小説に 発展していきそうな 匂いがしてきます。


<チャーリー・パーカー・プレイズ・ボサノヴァ>は 架空のアルバムタイトルを作り レビューまで書いてしまうのは 想像力を 駆り立てられます。冷静に考えると ミスマッチかもしれませんが おもしろいですね。ついでに出てくる <ペリーコモ、ジミヘンを歌う>なんて 本当にありそうで 笑ってしまいます。(検索かけましたが いくら探してのなかったので やられた!と思いました。笑)
音楽の好きな人は 自分も含めて そんなことばかり 考えるものなのですね。それも音楽の楽しさのひとつと思います。


 過去の短編と同じく 人間らしき動物 お猿さんが登場する<品川猿の告白>は 人間と動物との間の曖昧な存在の生き物と 話すことによって 少しずれた会話になるのが 凄く面白いところじゃないかと思います。ブルックナーが好きなお猿さんなんて 粋ですよね!



 私が 小中学生の時は プロ野球と言えば 阪神タイガースか読売ジャイアンツしか 周りに ファンはいませんでした。中日や広島は 両親がファンなので 僕も!という子が たまには いましたが 今では ソフトバンクや ロッテなどのパリーグのファンも 多いと思います
そんな環境の中 高校の時 ある先生が 大阪球場での南海ホークスや 日生球場や藤井寺球場の 私からみれば ありえない 面白い話を してくれました。外野席で寝転びながら ビールを飲み ホームランボールを 自前のグローブで取る話や 近鉄の応援団のガラの悪さや ヤジの面白さなど 同じ大阪の球団なのに 阪神タイガースとは また違った応援の話が 面白かったのを 思い出してしまった『ヤクルト・スワローズ詩集』


ひとつのチームを 好きになって何十年も 応援するきっかけは 案外 その人の人間性みたいなものが 大きく絡んでいるかもしれないことを この短編を読んでいて 思いました。
私の場合 野球は 飽きたという感じで 何の興味もわきませんが 代わりに好きになったたサッカーに これほどまで 熱中してしまうなんて。
つまり セックスに喩えれば、、、いやそれは やめよう!(こんな表現が 気に入らない輩も おられます)好きなチームを 一つ持つことは 間違いなく 毎日に 一輪の 花を 咲かしてくれるでしょう。かな?
さあ、チームが 勝つことを祈ろうではないか。そして それと同時に 敗れることに備えようではないか。




そんなこんなの8編の短編小説集。私にとっても 魅力ある一冊でした。

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