ちょこっと感動日記

毎日のちょっとした熱~い感動を綴るマイブーム日記。音楽、本、マラソン、映画、サッカーのこと あれこれ!

宮本輝『骸骨ビルの庭』を読んで

  

骸骨ビルの庭(上) (講談社文庫)
骸骨ビルの庭(上) (講談社文庫)
著者:宮本 輝
出版社:講談社
発売日:2011-12-15
カテゴリー:本

宮本輝さんの小説とは 長い付き合いになっています。25歳ぐらいの時 <幻の光> という短編集と呼んで以来 <泥の河> <蛍川> <道頓堀川>の川三部作や <錦繍><ドナウの旅人><海岸列車>などの長編もの、 まだすべて読んでませんが 宮本さんのライフワーク<流転の海>は 第八部まで出されるようです。僕にとって 宮本輝さんの 魅力は 決して 幸福であるとは言い切れない生い立ちの人間が なんとかして 少しずつ 幸福を 手に入れていき また それが 無くなり また それを 手に入れようと向かって進んでいく みたいな 常に元気にさせてくれるところにあります。


 長い間 輝さんから 遠ざかっていましたが 最近 <水のかたち>を読み 登場人物の数多い魅力に 酔ってしまい 人間て いいもんやなあ と 錯覚してしまい なにか ほんの少し希望を いだいてしまうように なってしまいました(笑)これが 現実ならいいんだけれど みたいな。そして 次に読んだのが <骸骨ビルの庭>で 戦後 幼い頃に 親に捨てられた 孤児達を 二人の男が 育て上げるという感動的な物語です。ここにも 熱い人間関係や人情 人間の良さ くささ いやらしさが 描かれていて えらくいい小説だなあと 感動しました。


 ここ何年か 芥川賞の選考委員をやられていますが 宗教的な立ち位置で 続けるのは おかしいのでは?という意見も あるみたいです。でも輝さんの書く物語こそ 人間が生きていくうえで 必要な 心の芯のようなものが 人間を幸福にする力なんかなあ と考えさせら これからも 今の日本人に忘れかけている何かを 訴え続けていってほしいです。

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