ちょこっと感動日記

毎日のちょっとした熱~い感動を綴るマイブーム日記。音楽、本、マラソン、映画、サッカーのこと あれこれ!

映画<遠い夜明け>を観て!



 イギリスのロック歌手 ピーター・ガブリエルが 南アフリカの
黒人指導者スティーヴ・ビコに捧げた<Biko>という曲を 聴いていたら この映画を 再度観たくなり 観ることにしました。もう20年以上も前に 一度観ましたが あまりの素晴らしい映画で 何度見ても 心に迫ってくるものがあり 一人の人間として 生きているうえで 大切なものを 教えてくれる映画と言っても 言い過ぎではないと思うほどです。



Peter Gabriel - Biko



 南アフリカのアパルトヘイトと言われる黒人人種差別政策の中で 黒人指導者スティーヴ・ビコとの交友を通じて この悲惨な差別のことを 一人の勇気ある白人が 世界に訴えようと 命をかけた物語で 悲惨な歴史の実話に基づいたストーリーを <ガンジー>を撮ったリチャード・アッテンボロー監督が 1987年に制作したイギリス映画です。



 スティーヴ・ビコ(デンゼル・ワシントン)と白人の新聞編集者ドナルド・ウッズ(ケヴィン・クライン)が 交友を 深めていくところから 始まります。警察長官でさえ 人種差別を繰り返す現状に 立ち向かっていくビコは 拷問の末に獄中死してしまいます。後半では ウッズが 真実を訴えようと国外脱出を図るシーンが描かれています。その後 亡命が成功し 1978年 ビコの死の真相が 書かれた「ビコ」が 世界に発表されることになります。そして この映画も 作られました。



ウッズが 南アから逃亡中に ビコと語り合っているシーンがいくつか回想として出てきます。二人の何気ない会話が 私は すごく自然で 好きな場面です。



「我々黒人の最大の問題は白人の差別より自分たちの劣等意識だ」

「我々はこの国を変える! 問題はその最上の道を探す事だ」

「我々の怒りは当然だが 忘れてはならない 我々の最大の敵はある種の人間が別の人間より優れているという考え方だ」

「子どもに黒人の歴史を教え 我々黒人の持つ伝統を文化を教えれば白人の前での劣等感から解放される」

「対等の立場で彼らと向かい合う闘いを採るなら 手を広げて言おう」

「我々は住む価値のある南アを建設する 白人にも黒人にも平等の国を 美しい国土とそこに住む我々のように 美しい南アフリカを」



 ビコの思想は 決して白人より優位に立って支配することせず 同じテーブルについて話し合い 平等な世界を 目指すというもので まず黒人が意識を変え、白人と対決できるだけの誇りを持ち続けることが大切だと主張しているのです。決して危険な思想ではないことが わかると思います。



 ビコの葬儀の場面では 多くの黒人が彼の死を悼みに訪れ、右手を突き出して「ココシケレリ・アフリカ(アフリカの歌)」の大合唱が始まります。涙を誘う感動的な場面です。そして ラストは アパルトヘイト活動者たちの氏名と没年および享年、政府発表死因が連続的に表示されて 終焉。

Nkosi Sikelel' iAfrika - Cry Freedom [1987]



 一体 何人の黒人が 不当な殺され方をして 命を落としてしまったのか を 想像すると 涙が あふれてきそうになります。
まるで 悪夢を観ているような この映画の世界は 実際に起こっていたこととして認識し この悲惨な歴史より 色々なことを 学んでいかなければいけないと 一人の人間として改めて思いました。そんなことを 教えてくれた 私にとっても大切な映画でした。













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