ちょこっと感動日記


毎日のちょっとした熱~い感動を綴るマイブーム日記。音楽、本、マラソン、映画、サッカーのこと あれこれ!

カズオ・イシグロ 『日の名残り』を読んで!

 少し前に カズオ・イシグロさんの<夜想曲>のことを 書きましたが その時 気に入った文体を 再度読んでみたくなりました。今回読んでみたカズオ・イシグロさんの「日の名残り」は 翻訳された方が 上手いかもしれませんが 訳された物とは 思えないほど 自然体で ずっと昔から読まれている 純文学の様な品格があるように 思いました。そして カズオ・イシグロさんの出世作でもあり 英国最高の文学賞、ブッカー賞なるものの 受賞作品だそうで 世界中で感動を呼んだ作品ということです。


 物語の内容は  執事(由緒正しい名家に仕える忠実な使用人頭のことで、何事もそつなくこなす万能人間のこと)であるスティーブンスが 英国の美しい田園風景を 眺めながら 短い旅に出て 色々な人たちと出会い 交流していく中で 長年使えていたダーリントン邸での思い出を語っていくというもの。執事の品格を 保ちながらとい執事のお手本だった亡き父の思い出、国を動かすほどの要人が 多数集まった日々の思い出、そして 共に屋敷で働いていた女性ミス・ケントンの思い出。そして 20年ぶりのミス・ケントンとの 再会。


 自分を犠牲にして ひたすら執事として 雇い主に 尽くしてきたスティーブンスは 最後の夜 ミス・ケントンと再会を果たした後 もうあの頃のようには 戻れないし 振る舞えないことを 自覚します。そして 涙します。


 人生が 思い通りにいかなかったからと言って 後ろばかりを向き、自分を責めてみても 仕方ないことです。(中略)あの時ああすれば 人生の方向が変わっていたかもしれない-そう思うことは ありましょう。しかし それをいつまでも思い悩んでいても 意味のないことです。何か価値のありそうなものに 微力を 尽くそうと試みて 人生の多くを犠牲にする覚悟があり 実践したとすれば 結果はどうであり そのこと自体が 自らに誇りと満足を与えることになるでしょう・・・・


 桟橋に明りが 明りがつくのを 楽しみに待っている街の人たちを 横目で これから 自分は どうやって 生きていこうかを 思いめぐらせて 物語は 終わります。


執事という職業を通して 一人の忠実で まじめな人間は 物語として 少々 退屈かもしれませんが 微妙な心の動きが 私にとっては すごく気に入ったところです。


 まだ観ていないですが アンソニー・ホプキンス、エマ・トンプソン出演で 映画化されているそうで その微妙な心の動きが 表現されているようであれば 是非 観てみたいと思います。




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