ちょこっと感動日記

毎日のちょっとした熱~い感動を綴るマイブーム日記。音楽、本、マラソン、映画、サッカーのこと あれこれ!

垣根諒介『ゆりかごで眠れ』 を読んで!


 
 先日 ラン友達に 貸してもらった『下町ロケット』と何冊かの本の中に この本があり 何の予備知識なく 読み始めました。展開が早く 常にスリリングで 人間臭い コロンビアのマフィアの物語で 個性的な人物や アウトローな考え方が 大変面白く 読んでいる時は ほとんど時間の感覚を忘れ 通勤時間の電車の中で 上下巻とも ほとんど一機に読んでしまいました。 


 コロンビアの片田舎の町で 日系の移民の子として生まれたリキは 7歳の時までは 貧しいながらでも 幸せに暮らしていたが その小さな村を ゲリラが襲い 両親をはじめ 仲の良かった先生や村長たちを 皆殺しにされました。奇跡的に 生き残ったリキは 同じように 夫と3人いた子供のうち1人を殺された ベロニカという26歳の芯の強く 働き者の女性に 引き取られます。数年後 今度は リキが留守中に 義理弟ホルヘとベロニカが襲われ 命を奪われてしまいます。リキは マフィアの仕事をしていた亡きホルヘの後を継ぎ 襲ったギャング団を 一人残らず襲撃する決意します・・・


借りは、返さなくてはならない。愛は十倍に!憎しみは百倍に!それが おれたちの運命だ!


コロンビア・マフィアのドンに上り詰めたリキは 麻薬密輸の会合のため、浮浪児であったカーサと共に、東京へやってくる。そして、他の組織の影響により警察に捕らえられた自分の部下、パパリトを救出するため、その組織、及び警察を襲撃する計画を立てます。と こんな感じのストーリーです。


 私が この物語で ストーリーも 登場人物も 気に入りましたが 一番魅かれたのは やはりリキの人間性です。 文中の言葉を 借りれば「生きることと 死ぬことは同じで いつ死んでもいい。それなのに 生を求めて 激しくうごめいている。孤独と絶望の淵で 平然と濡れている」。心は すごく優しいが 人を殺すことは 屁とも思わない。一度 友達と思えば 苦境に陥った時 どんな手を使っても助ける。裏切りは 決して許さない。


 作者の垣根涼介さんが あとがきで「懸命に生きても 正しく生きようとしても 決して幸せになれない人間がいる。どんなに社会的に成功していても 一見家庭的に 恵まれているように見えても 本人の内面は 幸せでない」   
傍目から見えるのは 単なる事実でしかなく そこに真実はない。その当人の気持ちの中でしか 真実はない。ということで 生き方の中にある 真実を 描きたかったと しています。


このように 作者の意図が 忠実に 描かれていて わかりやすかったところも よかったと思います。


この作者 垣根涼介さんの「ワイルド・ソウル」という作品も 是非 読んでみたいと思いました。この本に 巡り合えたことに 感謝します!




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